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【就労継続支援B型】令和6年度報酬改定の内容について

基本報酬の見直し

経営実態を踏まえた基本報酬の見直し。平均工賃月額が高い区分の基本報酬の単価を引き上げ、低い区分の報酬の単価を引き下げることになりました。

また、新たに人員配置6:1の報酬体系が創設されます。

下記では、定員20人以下で、6:1と7.5:1について記載しますが、令和6年度新単価と比べると、平均工賃月額単価が一番低い部分と高い部分で大きく単価の増減が確認できます。

基本報酬(6:1)定員20人以下

平均工賃月額令和6年度の新単価
平均工賃月額4万5,000円以上837単位/日
平均工賃月額3万5,000円以上~4万5,000円未満805単位/日
平均工賃月額3万円以上~3万5,000円未満758単位/日
平均工賃月額2万5,000円以上~3万円未満738単位/日
平均工賃月額2万円以上~2万5,000円未満726単位/日
平均工賃月額1万5,000円以上~2万円未満703単位/日
平均工賃月額1万円以上~1万5,000円未満673単位/日
平均工賃月額が1万円未満590単位/日

基本報酬(7.5:1)定員20人以下

平均工賃月額が1万円未満の場合、29単位落ちているため注意してください。

平均工賃月額令和6年度の 新単価令和3年度~令和5年度 までの単価
平均工賃月額4万5,000円以上748単位/日702単位/日
平均工賃月額3万5,000円
以上~4万5,000円未満
716単位/日672単位/日
平均工賃月額3万円以上~
3万5,000円未満
669単位/日657単位/日
平均工賃月額2万5,000円
以上~3万円未満
649単位/日643単位/日
平均工賃月額2万円以上~
2万5,000円未満
637単位/日631単位/日
平均工賃月額1万5,000円以上~ 2万円未満614単位/日611単位/日
平均工賃月額1万円以上~
1万5,000円未満
584単位/日590単位/日
平均工賃月額が1万円未満537単位/日566単位/日

目標工賃達成指導員配置加算

現行は、目標工賃達成指導員を常勤換算方法で、1人以上配置し、職業指導員、生活介護支援の総数が7.5:1、かつ目標工賃達成指導員、職業指導員、生活支援の総数が常勤換算法で6:1体以上の配置要件です。

報酬改定では、職業指導員、生活介護支援のが6対1以上に変更、目標工賃達成指導員、職業指導員、生活支援の総数5:1以上に変更になります。

また、目標工賃達成加算が新設されました。都道県の工賃向上計画に基づき、事業所で工賃向上計画を作成し計画にあげた工賃目標達成した場合に加算になります。

以下は、指定された内容をテーブル形式で表したものです。

基準項目令和5年度までの基準令和6年度の新基準
職業指導員、生活介護支援の総数7.5:16対1
目標工賃達成指導員、職業指導員、
生活支援
6:15:1
目標工賃達成指導員配置加算の単価
(定員20人以下)
89単位/日45単位/日
目標工賃達成加算なし10単位/日

平均工賃月額の算定方法の見直し

事業所の中庭障がい特性等により利用日数が少ない方を多く受け入れる場合があることを踏まえ、平均工賃月額の算定方法について平均利用者数も用いた新しい算定式となります。

項目平均工賃月額の算定式
平均工賃月額の算定方法(令和5年度まで)前年度の工賃支払総額 ÷ 前年度の各月の工賃支払者の総数
平均工賃月額の算定方法(令和6年度以降)前年度の工賃支払総額 ÷ 前年度の開所日1日あたりの平均利用者数 ÷ 12ヶ月

新しい平均工賃月額の算定方法は、利用日数が少ない利用者を多く利用している事業所は、以前の算定方法よりも良い数字が出る傾向にあります。

就労系共通の改定事項

就労系事業所を一時的に利用する場合

一般就労中の障害者が就労継続支援を一時的に利用する場合、

  • 就労継続支援A型のスコア項目における平均労働時間の計算
  • 就労継続支援B型の平均工賃額の計算

から当該障害者の労働時間と工賃を除くことができる。

休職期間中に就労系障害福祉サービスを利用するときの対応

一般就労中の障害者が休職期間中に就労系サービスを利用する際、休職者を雇用する企業や医療機関等による復職支援の実施が見込めない場合等の現行の利用条件について改めて事務連絡で周知するとともに支給申請の際に当該障害者の雇用先企業や主治医の意見の提出を求めることとする。

施設外就労に関する実績報告書の提出義務の廃止

施設外就労に関する実績報告について、事業所から毎月の提出を不要とするものの作成保存義務は設ける。

施設外支援についての見直し

施設外支援については個別支援計画の位置づけが必要であり、1週間ごとの計画の見直しだったが、これを1か月ごとの見直しに変更にする。

共通項目の改定事項

意思決定支援の推進

サービス担当者会議、個別支援計画の会議で、本人の心身の状況等によりやむを得ない場合を除き、利用者本人の参加を原則として会議に参加し本人の意向等を確認することとする。

本人の意向を踏まえた同性介助

解釈通知に「本人の意思に反する異性介助がなされないよう、サービス管理責任者等がサービス提供に関する本人の意向を把握するとともに、本人の意向を踏まえたサービス提供体制の確保に努めるべき」旨を明記。

虐待防止と身体拘束適正化の推進

虐待防止はこれまで減算規定はありませんでしたが、今回導入。身体拘束適正化は減算額が多くなりました。

項目令和6年度の新減算数令和5年までの減算数
虐待防止1%なし
身体拘束適正化1%5単位/日(利用者全員)

個別支援計画の共有

事業所が作成した個別支援計画を相談支援事業所と共有することになりました。

高次脳機能障害の利用者に対する加算

高次脳機能障害者支援体制加算の新設( 41単位/日)

高次脳機能障害を有する利用者が全体の利用者数の100分の30以上、かつ高次脳機能障害支援者養成研修を修了した従業者を事業所に50:1以上配置し、その旨を公表している場合に加算。

人員基準における両立支援への配慮

「常勤」の計算・・・職員が育児・介護休業法等による育児・介護等の短時間勤務制度を利用する場合に加えて、「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って事業者が設ける短時間勤務制度等を利用する場合にも、週30時間以上の勤務で「常勤」として扱うことを認める。

「常勤換算方法」・・・職員が「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って事業者が設ける短時間勤務制度等を利用する場合、週30時間以上の勤務で常勤換算での計算上も1(常勤)と扱うことを認める。

障がい福祉現場の業務効率化を図るためのICTの活用

管理者の兼務
同一敷地内等に関わらず、同一の事業者によって設置される他の事業所等の管理者または従業員を兼務することが可能になります。
この場合管理者は責務を果たせる場合であり、事故発生時の緊急対応について、予め対応の流れを定め、必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できる体制を整える必要があります。

管理者のテレワーク
管理上支障が生じない範囲においてテレワークにより管理業務を行うことが可能になります。
この場合、利用者及び従業員と管理者の間で適切に連絡を取れる体制を確保し、利用者の体調の急変、災害発生時等、緊急時の対応をあらかじめ定め、必要に応じて管理者が速やかに出勤できるようにしておく必要があります。

業務継続に向けた感染症や災害への対応力の取組(BCP)の強化

感染症または非常災害のいずれか、または両方の業務継続計画が作成されていない場合、基本報酬を減算(1%)となります(令和7年3月31日のまでの間「感染症の予防及びまん延防止のための指針の整備」及び「非常災害に関する具体的計画」の策定を行っている場合には、減算を適用しない)

情報公表未報告の減算

障害福祉サービス等情報公表システムが未報告となっている事業所に対する情報公表未報告減算(5%)を新設します。

食事提供体制加算の見直し

これまでの要件に加えて以下の要件が加わりました。

  • 管理栄養士または栄養士が献立作成に関わること(外部委託化)または栄養ケアステーション、保健所等の管理栄養士または栄養士が栄養面について確認した献立であること
  • 利用者ごとの摂取量を記録していること
  • 利用者ごとの体重やBMIおおむね六ヶ月に一回記録していること

強度行動障害を有する利用者への集中的支援加算の新設

状態が悪化した強度行動障害をする利用者へに対し、高度な専門性により地域を支援する広域的支援人材が事業所等を集中的に訪問(情報通信機器を用いた地域からの助言指導も含む)し、適切なアセスメントと有効な支援方法の整理を共に行い、環境調整を進めることを評価する。

イ 集中的支援加算(Ⅰ) 1000単位/回

強度行動障害を有する利用者の状態が悪化した場合に、広域的支援人材が事業所等を訪問し、集中的な支援を行った場合、3月以内の期間に限り1月に4回を限度として所定単位数を算定。