放課後等デイサービスおよび児童発達支援事業を運営するには、適切な人員の配置が必要です。以下に、これらの事業における指定要件と人員配置基準について詳しく解説します。
必要な職種とその職務内容
放課後等デイサービスおよび児童発達支援事業では、以下の職種が必要とされます。
職種 | 職務内容 |
---|---|
管理者 | 職員の管理、サービス利用の申込みの調整、業務の進捗の把握、その他の管理業務を一元的に行います。また、事業の指定を事業者の職員に対し、遵守させるための指揮監督を行います。 |
児童発達支援管理責任者 | – アセスメントを行い、利用者が自立した日常生活を営むことができるように支援するための適切な支援内容の検討を行い、個別支援計画を作成してモニタリングを行います。<br>- 利用者の心身の状況、環境等に照らし、利用者が自立した日常生活を営むことができるよう定期的に評価するとともに、自立した日常生活を営むことが適当であると認められる利用者に対し、必要な支援を行います。 |
児童指導員・保育士 | 個別支援計画(児童発達支援計画)にもとづき、障がい児等に対し適切な指導等を行います。 |
機能訓練担当職員 | 機能訓練を行う場合に置かれます。 |
人員配置基準
放課後等デイサービスと児童発達支援のサービスは、定員10名(最小オードノックスな定員数)の事業所の場合、以下のような人員配置基準を満たす必要があります。
職種 | 配置数 | 常勤要件 | 備考 |
---|---|---|---|
管理者 | 1人以上 | なし | 充当がなければ、他職種との兼務可 |
児童発達支援管理責任者 | 1人以上 | あり(1人以上は専任かつ常勤) | |
児童指導員または保育士 | 2人以上 | あり(1人以上) | 10:2 半数以上は児童指導員または保育士 |
機能訓練担当職員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、児童指導員等)と看護職員については、児童指導員または保育士の合計人数に含めることができますが、合計数の半数以上は児童指導員または保育士である必要があります。
例えば、定員10名の事業所で児童指導員1名(常勤)と理学療法士2名(常勤)を配置している場合、理学療法士1名は児童指導員または保育士に含めることができるため、「児童指導員または保育士」の人員配置基準(2人以上)をクリアすることができます。
児童指導員とは
児童指導員の資格要件は以下のとおりです。
- 児童福祉施設の職員を養成する学校を卒業した者
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 大学の社会福祉学、心理学、教育学もしくは社会学を専修する学科またはこれに相当する課程を収めて卒業した者
- 高等学校を卒業した者であって、2年以上かつ360日、児童福祉事業に従事したもの
- 3年以上かつ540日、児童福祉事業に従事した者
- 幼稚園、小学校、中学校、高等学校または中等教育学校の教諭となる資格を有する者で、都道府県知事が適当と認める者
資格要件にはわかりにくい部分があり、特に4については大学の学位が以前に比べて複雑化しているため、指定権者に確認することが必要です。5については、高校の卒業証明書と該当する事業所の実務経験証明が必要になります。7は教職免許のことです。
児童福祉事業とは
以下の事業が「児童福祉事業」に該当します。
第一種社会福祉事業
- 乳児院
- 母子生活支援施設
- 児童養護施設
- 障害児入所施設
- 情緒障害児短期治療施設または児童自立支援施設
第二種社会福祉事業
- 障害児通所支援事業(放課後等デイサービスや児童発達支援など)
- 障害児入所支援事業
- 児童育成支援事業
- 児童自立生活援助事業
- 放課後児童健全育成事業
- 育成支援事業
- 養育支援訪問事業
- 乳児家庭全般訪問事業
- 養育支援訪問事業
- 地域型保育事業
- 地方育て支援拠点事業
- 小規模住居型児童養護施設
- 児童家庭支援センター等を含む児童福祉法第6条第1項に規定する事業
- 児童の福祉の増進について相談に応じる事業
放課後等デイサービスや児童発達支援事業の指定要件と人員配置基準をしっかり理解し、適切な人材を確保することが、質の高いサービス提供につながります。
障がい福祉サービス経験者とは
人員配置で必要となる「障がい福祉サービス経験者」とは、学校教育法の規定に基づく学校等を卒業した者などで、2年以上、障がい福祉サービスに従事した者をいいます。
これらのサービスの設備基準
放課後等デイサービスと児童発達支援のサービスを行なう場合の設備要件は、下表のとおりです。
設備 | 要件 |
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指導訓練室 | ・利用者1人当たりの面積が2.47㎡であること ・最低定員が10名なので、指導訓練室は24.7㎡以上必要(3㎡以上必要な指定権者もあり、その場合は30㎡以上必要) ・ 訓練に必要な機械器具や必要な設備などを備えること |
相談室・静養室 | ・ プライバシーを確保できる空間であること ・主として知的障がい児が利用する場合は、静養室が必要 ・ その他、必ず必要とする指定権者もあり |
洗面所・トイレ | ・トイレ汚れと洗面所の兼用は不可 ・トイレが2以上必要な指定権者もある |
事務スペース | ・カギ付き書庫など |