訪問系サービスとは
訪問系サービスには、「居宅介護」「重度訪問介護」「同行援護」「行動援護」「移動支援」等のサービスが該当します。
多くの事業所では、例えば居宅介護の1つだけを指定するというよりは、複数のサービスを選択したり、全てのサービスについて指定を取るケースがあったりとさまざまです。
上記のサービスを同じ事業所、法人で指定を取る場合は、サービス提供責任者の配置は1名でよく、一度の申請でまとめて指定を取ることができます。
また、申請書類も半分以上は同一の書式でよい場合が多く、省略することが可能です。ただし、移動支援のサービスは、各市町村で指定を行う必要があるので、該当する市町村すべてに指定申請を提出します。(例外もあり)
なお、訪問系サービスを行う場合、介護保険上の訪問介護(介護事業)などと併設しているケースもよく見られます。
「居宅介護」サービスとは
居宅介護のサービスでは、以下のことを行います。
- 身体介護(自宅での食事・入浴・排泄・食事など)
- 家事援助(調理・掃除・買い物・洗濯など)
- 生活全般にわたる相談や支援
- 通院等介助(通院等のための屋内外における移動等の介助、通院先での受診等の手続き、移動等の介助など)
- 通院等乗降介助(通院等のために、ヘルパー等が運転する車両への乗車または降車の介助と併せて行う、乗車前、降車後の屋内外における移動等の介助、通院先での受診等の手続き、移動等の介助など)
上記のうち、通院等乗降介助では、別途、介護タクシーの認可が必要な事業となります。
居宅介護は、訪問系サービスのなかでは最もよく利用されているサービスで、障害者、障がい児とも利用可能です。
【利用対象者】
障害支援区分が「区分1」以上の方が対象で、障がい児の場合はこれに相当する心身の状態が必要です。
「重度訪問介護」サービスとは
重度訪問介護のサービスでは、重度の肢体不自由、知的障がい、精神障がいにより行動上著しい困難を持っている障がい者に対し、ヘルパーが自宅を訪問し、次のことを総合的に行います。
①身体介護(入浴、排せつ、食事等)
②家事援助(調理、掃除、買い物、洗濯など)
③生活等に関する相談・支援や外出時における移動中の介護
④外出時における移動中の介護
なお、重度訪問介護では、上記④で移動支援の内容を兼ねているため、後述する「移動支援」のサービスを併用して利用することはできません。
【利用対象者】
まず、障がい児は利用できません。
障害支援区分が「区分4」以上で、次の①、②いずれかに該当する障がい者が対象となります。
①次の(1)および(2)のいずれにも該当すること
(1)二肢以上に麻痺等がある
(2)障害者支援区分の認定調査項目のうち「歩行」「移乗」「排尿」「排便」の
いずれも「支援が不要」以外と認定されていること
②障害支援区分の認定調査項目のうち、行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上であること
「同行援護」サービスとは
同行援護のサービスでは、視覚障害により、移動に著しい困難を有する障がい者が外出する際に専門のヘルパーが同行し、次のことを行います。
①移動に必要な情報を提供、移動の援護、排せつ、食事等の介護
②外出する際に必要な援助
【利用対象者】
対象となるのは、同行援護アセスメント票の調査項目に該当しており、また、身体介護を伴う場合は以下のいずれも満たす者です。
①障害者支援区分2以上
②障害支援区分の認定調査項目のうち、「歩行」にあっては「全面的な支援が必要」に認定されている者、または「移乗」「移動」「排尿」「排便」いずれかが「支援が不要」以外に認定されていること
「行動援護」サービスとは
行動援護サービスでは、行動に著しい困難を有する知的障がいや精神障がいのある障がい者に対して、障がいの特性を理解した専門のヘルパーが、行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援助、外出時における移動中の介護、排せつ、食事などの介護や必要な援助を行います。
【利用対象者】
知的障がいまたは精神障がいがあり、障害支援区分3以上で、障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である者が対象です。
「移動支援」サービスとは
移動支援は、屋外での移動が困難な障がい者に対して、外出のための支援を行うことにより、地域の自立生活および社会参加を促すことが目的のサービスです。
市町村で地域生活支援事業の一つとして実施しており、他の訪問系サービスの指定が事業所所在地の指定権者であることに対して、移動支援のサービスでは、利用者の住居がある市町村ごとに指定を受けることが必要です。
請求方法も含め指定権者の独自色がかなり強いサービスなので、詳細等については、必ず各市町村に確認してください。